アンフェア the end

今までの「アンフェア」シリーズの脚本をしていた佐藤嗣麻子が監督も担当して製作された劇場版第3弾だ。警察内部の不正を追求する基本ストーリーは変わらないで、徐々にその全体像を白日のもとにさらしていく。今までの作品と基本的構造は同じで、少しマンネリ感もある。権力保持のための大きな不正を雪平が世間に公表しても、次の陰謀がまた始まるような感じがある。映画のネタはなくらないからいいけど、観ている方は既視感を感じてしまった。

刑事だった父の死を解明するために警視庁捜査一課の刑事になった雪平夏見(篠原涼子)は、警察内部の不正の証拠を入手することに成功した。一応それが前作までの展開だった。元夫を殺されて入手したデータをわからないように隠し、公表の機会を伺っている。前作で陰謀の推進役だった東京地検特捜部の検事と元検事総長の父が、連続して殺害される。それは口封じを意味している。

テレビで放送された旧作を見たら、物語の構造はそっくり同じであった。ただ起きる事件や状況が少し変わっているだけである。それでもワクワクして見てしまうのは、雪平が死なないとわかっているからだろう。連続殺人の容疑者としてシステムエンジニアの津島(永山絢斗)が逮捕される。その津島は雪平夏見(篠原涼子)を取調官に指名して、雪平と同じ巨悪を追求していたので犯人に仕立てあげられたと主張する。また、新しく最高検察庁の検事になった武部(AKIRA)が、雪平に情報提供を求めてくる。

自分に接近してくる関係者をすべて疑っているはずの雪平は、どうも用心深さが足りないようにも思う。薫ちゃん(加藤雅也)や一条(佐藤浩市)が自分の敵なのか味方なのか、設定が行き当たりばったりだと思うのだ。

本当に信じられるのは、小久保(阿部サダヲ)や山路(寺島進)だけしかないと思う。もぐらたたきやトカゲの尻尾きりのようで、また次の使い走りが出てきて同じことを繰り返すのではないか。この物語の構成は型紙があるみたいだ。

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