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ミラ・ジョヴォヴィッチ主演、ピアーズ・ブロスナン共演のサスペンス・アクションだ。ミラが英国大使館の対テロ対策の要員で、なんとブロスナンが殺し屋役で登場する。アメリカへ入国する旅行者をチェックする仕組みが大変リアルに描かれていて、それをすり抜けようとするテロリストの事情も迫真の表現だった。007のブロスナンから比べた悪ぶりが様になっていて、現実味があった。単独でテロを阻止することになるミラの熱演もよかった。

イギリスでは今までに大規模な爆破事件が現実に起きている。アメリカは9.11以降テロは起きていない。その背景にはこういう戦いがあったのかとも思える内容だった。映画冒頭にアフガニスタンでヘリコプターが撃墜されて、一人人質にされる兵士がいる。その兵士の親がこの物語のキーマンになる。ロンドンのアメリカ大使館に新しく赴任したケイト・アボット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、クレイン大使(アンジェラ・パセット)の信任が厚い存在だ。対テロ要員としての役目を任されるけど、邪魔をするものが出てくる。

ビザ申請をした医療ガスの専門家がアメリカの小児科学会に出る目的で空港に来る。ケイトはそれを不審に思い、ビザ発行を止める。ケイトがそれを止めたことがテロリストのサイドに情報漏れでわかり、ケイトたちと同じ部署のメンバーが爆弾で殺されてしまう。プレゼントを買うために席を外したケイトは、時計屋(ピアーズ・ブロスナン)から銃を向けられる。生存者保護プログラムで公園に逃げたところに、同僚のビル(ロバート・フォスター)が銃を向けて殺そうとする。

モミ合いになってビルを殺してしまったケイトは多くの目撃者に写真を撮られてしまい、爆破事件と殺人事件の容疑者として指名手配される。大使館からもロンドンの警察からも追われることになる。友人と駅で待ち合わせたり、地下鉄の線路から下水道を逃げたりする。大使館の中で協力してくれるのが一人しかいないのも厳しい状況だ。監視カメラがあちこちにあって、指名手配するスピードが非常に速い。

テロリストの手足となって動く人間を作り出すのがアフガンの戦地だったり、官僚主義の犠牲だったりする。ところが、テロを実行する首謀者の目的が金儲けであるというのも現実的だ。ヒースロー空港からJFK空港に飛ぶシーンもハラハラさせられた。時計屋の使う狙撃銃が射程の長いものであるのも、いい設定だ。爆弾の運び方などは実際の事件を参考したみたいに現実的だった。星3.5個。

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