ギャラクシー街道

三谷幸喜監督脚本の宇宙を舞台にしたコメディだ。正直に書くと舞台挨拶が一番面白くて、本編は途中まで全然笑えなかった。半分くらい経過してやっとその世界観に慣れてきたら、少し笑えた。西暦2265年というと、今から250年後という設定だ。色々な宇宙人が登場するけど、そのキャラクターの突飛すぎる特徴についていくのが大変だった。よかったのは、西川貴教の歌と結末だけみたいだ。

木星と土星の間のルート246666というのは、国道246号線の比喩だろうか。その街道をギャラクシー街道と呼び、過疎化に悩んでいる。その街道を閉鎖するべきかどうかをめぐって、役人がやってくる。あたかも地方切り捨てみたいな感じだ。ノア(香取慎吾)とノエ(綾瀬はるか)は、ハンバーガーショップを経営しているけど閑古鳥が鳴いている。

ノアの元カノのレイ(優香)が夫を連れて立ち寄る。ノエを片思いしているメンデス(遠藤憲一)が、押しかけてくる。メンデスは雌鳥から来ているのだと思う。メンデスがおでこをくっつけるだけで妊娠するのは、鶏だからごく自然のことだ。ムタ(石丸幹二)が引っかかるやつも、ETからの引用だろう。ハヤト隊員が変身するやつもわざと格好悪くしているのだろう。

地球にいるときに、劇団員をしていたというエピソードから突然宇宙に舞台が移るのもおかしいと思ってしまった。

清州会議まではとても面白かったのに、どうしてこうなってしまったのか。ハンバーガーショップの中だけで物語が進行するので、登場人物を多くしたのだと思う。キャラクター設定の突飛さは笑えた。脚本のリズムも単調だ。

遠藤憲一の産むシーンと小栗旬が振られるシーンは面白かった。星2個。

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10月29日の朝日新聞夕刊「三谷幸喜のありふれた生活」で監督本人が映画の狙いについて書いている。わてもそれを読んで記事にした。観客全員をゲラゲラ笑わせようとしたのではなく、一部の方がチマチマ笑いをするのを目指したと書いていた。そんなことを今頃言われても、映画の評価を変えるのはできないだろう。なんとなくチープなセットからナンセンスギャグを狙っているかもしれないと思ったけど、ずるいやり方だ。公開から6日後の新聞で本心を明かすなんて、おかしいだろう。なら、最初から「この独特の笑いについてこれるかな」という宣伝をするべきだった。



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