レインツリーの国

有川浩の同名小説を、Kis-My-Ft2の玉森裕太と西内まりや主演で映画化した作品だ。興行成績1位になっている映画はどういう内容なのか気になって見た。感音性難聴という障がいを持っている女性が大阪から東京に就職した青年と恋に落ちて成長する物語だ。難聴というのは健常者と見た目の違いがないので、誤解されやすい。その聞き取りにくい彼女の現実を映像で表現しており、主人公に感情移入できるものだった。

映画の冒頭で大杉漣がヘルパーさん(玉森裕太)に身体を拭いてもらっている。ところが、そのヘルパーさんは大杉漣の息子向阪伸行であり、脳腫瘍の手術をした父の記憶から外れてしまったことがわかる。母(高畑淳子)がやっている美容室を閉店して、父の世話に専念することになっていた。伸行は大阪から東京の食品会社に就職して親元から離れる。

伸行は東京に引っ越す時に「フェアリーゲーム」という小説の下巻を紛失していた。その小説の感想を検索していたら、「レインツリーの国」というブログを運営しているひとみ(竹内まりや)と知り合う。最初はメールのやり取りだけだったけど、感性があったので会いたいと思う。実際に会ってみると、ひとみは人見利香という名前だった。ランチをするのは静かな店を指定し、映画は洋画の字幕版を見たいといい、エレベーターに乗ったときには重量オーバーに気がつかない。

ひとみは感音性難聴という障がいを持っており、耳に補聴器をつけていた。また、相手のしゃべっている内容を読心術で判断しているのだった。そんな彼女は旅行会社に勤務しているが、障がい者枠での就職で肩身が狭い思いをしていた。さらに、唯一の自己表現手段がブログという点がわてと似ている。わてはブログでうつ病だと公言しているけど、仕事ができる状態ではない。もう5年もすると還暦になるとらの介は彼らみたいに行動できないだろう。

若いひとみと伸行にしてみれば、障がいを受け入れて長い人生を歩み出さないといけない。西内まりやは顔が小さくて表情の演技ができるか心配だったけど、どうしてどうしてなかなかのものだ。ブログを閉鎖するまでに至る困難は痛いほどわかる。それと助けだした伸行はたいしたもんだ。これは小説なのだけど、実際に似たようなことはあると思う。是非劇場に足を運んで、彼らの生き様を見て欲しい。と同時にわても前向きになりたいと思った。星4個。

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