名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)

テレビアニメは毎回楽しみに見ている。15作目の今回は109分という長さなのだが、全く退屈しない。アクションシーンがてんこ盛りで展開も速く、見ていて楽しいのだ。この間の実写版と比べると、テンポが全く違うのでコナンはアニメで見るのがいい。普通の2Dのアニメなのに、地下鉄や雪山の描写が迫力満点であった。多少突っ込みどころもあるけど、気にしないで見ることができた。

新しい地下鉄開通式典の前日、東京都知事宛に脅迫状が届く。その新しい地下鉄は道路のトンネルの上を通っていて、偶然そこを通過したコナンたちがトンネル内で怪しい人影を見つける。コナンが例のスケボーで駆けつけると、爆弾を発見して目暮警部に連絡して地下鉄を停止させ、道路も封鎖して犠牲者なしですむ。映画の冒頭からこのアクションで、びっくりする。まるで「ダイハード」の戦闘機とトラックの対決のようだ。

都知事が以前国交省大臣時代に関わった新潟県北ノ沢村のダム建設が怪しいと思ったコナン一行は、ダム建設8周年の記念行事を見に行くという。8年前に事故で意識不明になった少年が、コナンたちの雪合戦の最中に意識を取り戻して関係者が動き始める。しっかりと付せんが散りばめられていて、それを見事に回収していく物語は心地よい。

ダムが爆破されるシーンも迫力満点だし、水の流れも大変うまく表現できている。肝心の謎解きは、事故や事件が重層的に重なっていておもしろかった。なだれに飲み込まれてしまうと15分が命の分岐点になる。それを15作目と掛けているのだろうか。コナン君が工藤真一だということを、蘭姉ちゃんは気づいたと思う。それを言い出せない事情も蘭姉ちゃんは、わかってきたのではないか。16作目ではどうなるか、期待したい。



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