スピルバーグ創造の秘密

65歳の今も精力的に映画作りを続けている。アイディアが浮かんだら、すぐに実現しないと気がすまない。

「戦火の馬」イギリスの児童文学を原作にした映画だ。今回は戦争を描くことが目的ではなく、愛や情熱や人のつながりを描きたいという。馬のジョーイは、戦士たちの心を癒す存在なのだという。おとぎ話のような物語が人々の共感を得られるでしょうか。日本でも人は、ロマンや夢に現実逃避したいと思うのだ。世界恐慌のときも映画は、大人気になった。

人間が馬を信じて馬も人間を信じる物語だ。

スピルバーク監督が注目されてのは、「激突」だ。次は、「ジョーズ」。ハリソン・フォードの「インディージョーンズ」

登場人物が成長する物語を描きたいという。映画が人に与える影響力に気がついたのは、ボーイスカウトのときだった。8ミリカメラでサイレント映画を作った。みんなが大笑いして喜んでくれたという。人生のすべてを映画にかけていく。

1977年の「未知との遭遇」は、好奇心を抑えられなかった少年時代を描いた。少年時代の孤独は、「E.T」に描いた。「シンドラーのリスト」では、自分がユダヤ人であることから感じてきた疎外感を描いた。

映画製作者は、自分の恐怖の対象を描くとセラピーになると言う。自分自身が信じていることを描くのが大切だという。

自分にとって心地よくないことでも、正直に明かすことになる。日本語でも、「オタク」という言葉がある。自分はそれだったという。インディジョーンズのようになりたかったけど、成れなかったことを描いた。

次の作品を作るときには、今までの映画をいかに越えるかを考える。デジタル技術のおかげで、映像化不可能なものはないと言われている。でも、大切なのは技術ではないという。私自身にとってデジタル技術は、絵筆と同じだという。

ジョーズは機械を使っていたけど、デジタル技術があるともっとすごい作品が撮れたか。ジョーズの場合、サメを見せないで恐怖を描くことができたという。観客の想像力を考慮して作ったという。

今やインターネットの時代で、映画館に行かない人も多い。ハリウッドもネット専用の映画を作るようになるかもしれない。iPoneやiPad用の映像を作る時代が来るかもしれない。映画は共同作業の芸術なので、緊張して不安になる。それがないというのは、自信過剰になっている。

引退するつもりはない。映画とは、心臓に血液を送り続けるものだ。「未知との遭遇」で光に満ちたドアを開けるシーンがあるけど、あれがいつも心の中にあるという。12歳で8ミリを作り始めたころから、全く変わっていないという。いやー、すばらしいインタビューだった。



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