アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅

ジョニー・デップが帽子職人を演じた「アリス・イン・ワンダーランド」の続編だ。今回は穴に落ちるのではなく鏡の中に入る所から冒険が始まる。冒険としてはアリス(ミア・ワシコウシカ)が帆船の船長として中国から帰国する方がすごい。マラッカ海峡での海賊船をまくシーンはダイナミックだ。本国に戻ってからその帆船を売却する問題に直面したアリスが、帽子職人を救うために時間をさかのぼる旅をする。そこで、大切なことを学んで帰ってくる。大人から子供まで楽しめる作品だった。

子供といっても、小学生ではかなり難しいと思う。字幕版で見たけど、言葉遊びのセリフがうまく訳されており面白かった。英語の単語の遊びの詳しいことまでわからないけど、ニアンスは伝わった。第1作のから3年後の設定だと思うけど、設定は1876年(?)だったかな。その頃はもう産業革命の進んだ時代なので、蒸気船が登場している可能性もある。ということで、アリスが船長をしていたワンダー号は古臭い形式の船ということになる。そんな旧型のタイプは処分して、新型を導入するのが先駆的だろう。

でも、それは貧富の格差や、古き生活様式を懐かしく思う人々をおいていくことも意味している。アリスは操船技術が男勝りであり、女にしておくのが惜しいくらいの人物だ。19世紀のイギリスでは考えられないけど、現代に置き換えれば合点がいく。古きやり方に固執して冒険できない保守的な男性に比べて、冒険心に満ちた女性が活躍してもいいのだろう。

ロンドンに帰ってきたアリスは、前作でプロポーズを断った男からワンダー号の売却を提案される。それは亡き父の思い出との決別であり、過去を捨てて未来に歩き出すことだ。そこへ青い蝶になったアブソレムに誘われて、鏡の奥に入っていく。すると、懐かしいワンダーランドがあった。ただ帽子職人のマッドハッター(ジョニー・デップ)が寝込んでおり、子供の頃に別れた家族を思い出して落ち込んでいる。そこで、アリスはタイム(サシャ・バロン・コーエン)という時間を司る番人から、時間を進める動力源の「クロノスフィア」を盗んで、彼の家族を探しにいく。

原則として過去を変えることはできないのだけど、うまい具合にお話ができていた。紅白女王が仲違いした原因やマッドハンターの家族がどうなったかもしっかりと謎解きが進む。赤の女王のヘレナ・ボナム=カーターが面白い。ほかの仲間の動物たちや時計の子分たちも愉快だ。色々な楽しいシーンが続出して、丸く収める脚本が見事だった。星4個。

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