グッドモーニングショー

「踊る大捜査線」シリーズの脚本家・君塚良一が、脚本監督を担当して作ったワイドショー番組をテーマにした喜劇だ。中井貴一演じる落ち目のキャスターが不倫相手から脅されて、はたまた立てこもり事件の犯人から指名されるドタバタ騒動を面白く描いている。テレビ局の勢力争いや生放送の裏側を知ることができて、楽しい気分になった。

朝7時からの放送で、起床が午前3時とは大変だ。公共放送ならニュースの時間なのだけど、民放では芸能関係のネタも織り込んでいる。ワイドショーの管轄が芸能部で、報道部とは全然違うとは知らなかった。民放では視聴率が大切で、スポンサーとの関係も密接にしないといけない。そんな中で、番組を作るのがどれだけ大変なのかわかった。

でも、ワイドショーというのは大衆の興味を誘導する力も持っている。不倫騒動が今年は大いに盛り上がっているけど、叩かれやすいパターンが出来上がっている。テレビ局はなんて無責任なのかとも思ってしまった。出勤途中のタクシーで澄田(中井貴一)に不倫相手の圭子(長澤まさみ)から、二人の仲を生放送でばらすと脅される。プロデューサーからは、番組の打ち切りと降板を言われてしまう。

そこまではよくあるお話だ。それから、生放送中にテレビ局の近くで立てこもり事件が発生する。猟銃とダイナマイトを持っている犯人の要求は、ワイドショーのキャスターの澄田と話をさせろというものだった。人質がいるので、警察は本当に澄田を連れてこさせる。また報道人としての役目を押し付けられた澄田は、隠しカメラやマイクを持たされて犯人との交渉を生中継することになる。

犯人役の濱田岳がうまくて、愉快だ。人の命がかかっている切迫感はない。それよりも、澄田は大恥をかくことになるのが笑ってしまった。テレビで伝えていることが、全部本当ではないということもあるのだ。災害現場で顔に泥を塗ったのが、被災した子供を励ますためだったのは知られない。それと同じで、視聴者に犯人の命を救うべきかなどという質問を出すのも間違っているだろう。それでも、テレビの裏側がよくわかる作品だった。星3個。

トラックバック URL
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/337-de516495


同じカテゴリー(2016年映画)の記事
疾風ロンド
疾風ロンド(2016-12-09 22:45)

オケ老人!
オケ老人!(2016-11-22 23:24)

この世界の片隅に
この世界の片隅に(2016-11-21 23:18)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
グッドモーニングショー
    コメント(0)