金メダル男

内村光良原作・脚本・監督・主演で、作られたコメディだ。金メダル男という題名からふざけたコントの映画かと思ったら、意外にもしっかりとした人間ドラマになっていた。小学校の時に徒競走で一等になったのに気をよくして、何事も一等を目指すようになった主人公の七転び八起きの人生を描いている。大人になるにつれて平凡な人生模様になるところを、色々なエピソードを盛り込んでいるのが面白い。普通の人間でも体験することの延長線にあるのがいい。

学校に通っている秋田泉一(知念侑李)は、小学校で徒競走で一番になる。絵画でも書道でもやること全部で一等賞を獲得して、神童と呼ばれる。中学に進むと、水泳で50m無呼吸で泳いで無敵ぶりを見せる。でも、女子との対決で水着の姿を見たいという年頃の欲望が出て負けてしまう。頭がよかったわけでもないので、そこから一等賞を取れなくなる。

高校に進学しても状況は変わらない。表現部というわけのわからない部活を一人で作り、中庭に部室を作る。演劇や俳句、絵画、などの芸術表現を全般にやる。文化祭で脚光を浴びて下級生が入部するが、3年生になって引退させられる。大学に進学するわけでもなく、アイドルに会いたいという理由だけで上京する。寿司屋でアルバイトをしたりするが、続かない。

それから何を思ったのか、体を鍛えて手こぎボートで太平洋横断に挑戦する。無謀な挑戦はすぐに挫折して、無人島に漂着する。7年間生き延びて帰国すると、サバイバル専門家として引っ張りだこになる。でも、それもすぐに飽きられてドサ回りの日常に陥る。マネージャーの亀谷頼子(木村多江)と結婚して家庭を持つ。

結婚すると男は家族のために生きることを求められる。妻も助けてくれる。ショッピングモールの店員をしたり、偶然撮影した写真がコンテストでグランプリになって写真家になったりする。なんだか、都合が良すぎる感じもするけど、必然性があるのだ。何事にも本気で取り組むことで、道が開けてくる。出演する俳優が豪華でそれも楽しい。表現部の活動の本気さが未来につながっていると思った。星3個。

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この記事へのコメント
ウッチャンらしい笑いの作品ですが、日本人に対して元気を出してほしいという人生賛歌の作品だと思いました。
まあ東京オリンピックもありますし、金メダルへの願いもあったのでは?
こちらからもTBお願いします。
Posted by atts1964 at 2016年10月28日 16:26
atts1964さん、コメントありがとう。

こちらからTBをしています。

オリンピックイヤーを意識しての公開だと思いますよ。

ほんとうに選手として出場する人間だけでなく、それぞれの庶民もある程度の目指すものを持ちたいものですね。
Posted by とらちゃんとらちゃん at 2016年10月28日 20:28
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