GANTZ: PERFECT ANSWER

映画版前編「GANTZ」を見たときに感じた間延びした時間の取り方は、テレビ実写版「ANOTHER GANTZ」のためであった。おそらく映画版の説明不足部分をテレビ版で補って、特別版とか完全版といってDVDにするのだろう。「ANOTHER GANTZ」も見たので、この締めくくりとなる本作はすんなりと入ることができた。

GANTZの中に入っている人間らしきものの寿命が来たからそれを保持するために、ガンツの世界での戦いが現実世界にはみ出したというのでは整合性がつかない。ガンツがある部屋は現実世界と遮断されている設定だから、矛盾している。そもそもなんとか星人はガンツの世界だけに存在するはずなのに、なぜ現実世界にも進出しているのか説明がつかない。ガンツ自体が自分の世界を構築できないのであれば、本来は人間を解放するのが本筋だ。それを、「人間はなぜお互い同士で戦いを続けるのか」という反戦的思想を提示しても説得力がない。

でも第1作ののんびりした話の進み具合から比べると、加藤勝(松山ケンイチ)が星人側にもいたり、小さい黒い玉を使って鮎川映莉子(伊藤歩)がガンツ経験者をガンツの世界に送り込む設定にして見ごたえはあった。山田孝之演じる重田正光はジャーナリストかと思ったけど、どうも警察関係者のようである。警察関係者ならなぜ複数で行動しないのか、連絡を取る相手をしっかりと描かないのかおかしいと思う。

そういう矛盾に目をつむれば、それなりにおもしろいSFアクションになっている。二宮和也演じる玄野計が、小島多恵(吉高由里子)と親しくなりすぎたために最後のターゲットにされる。星人側には加藤と同じ姿かたちをしたやつもいて、全然わけがわからなくなる。二宮は当然小島多恵を守ろうとするが、ガンツ卒業組はガンツの命令を遂行しようとする。仲間割れして、抜群に強い星人がたくさん登場するのだから無茶苦茶な殺し合いが行われる。

鈴木良一(田口トモロヲ)が小島多恵に銃を向けるシーンがあるけど、余分な感じがした。第1部を見た人はこれも見たほうがいいと思う。もやもやした疑問が解決するはずだ。でも、あまりにもガンツの世界の境界線があいまいになっているのを疑問に思うかもしれない。あの黒い大きな玉自体を破壊する選択肢はなかったのだろうか。奥浩哉の原作とはかなり内容が違うようなので、これはこれでいいのか。割り切れない気持ちが残った。



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