デッドプール

マーベル・コミックの異色なヒーロー「デッドプール」を主人公にした映画化作品だ。今までのお行儀のいいヒーローとは全然違って、下ネタやパロディがたくさんあってその行動の動機が人間的だ。勧善懲悪ではなく、自分の感情に正直なままに悪と対決する。無責任な傍若無人というよりも、聖人君子でないヒーローぶりが楽しいのだ。かなり派手にアクションをするけど、壊すのは最小限にとどまっている。何よりも恋人とうまくいくかどうかが最大の目標であるのがいい。抜群に面白い。

ウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は特殊部隊に所属して大活躍したけど、今は悪いやつを退治して街の掃除屋として小金を稼いでいる。ウィーゼル(T・J・ミラー)の店で飲んでいたら、娼婦のヴァネッサ(モリーナ・パッカリン)と知り合い意気投合する。身体の相性がよかったので同棲するようになり、結婚も意識することになる。でも、末期がんと診断されて将来を悲観する。そこへ現れた怪しげな男の誘いに乗ると、工場に連れて行かれる。

そこで、エイジャックス(エド・スクライン)という冷酷非道なやつによって変な液体を体内に入れられて、拷問のような負荷を与えられてしまう。その結果、がんは治るけど、全身が火傷をおったようなただれた皮膚になってしまう。なんとかその施設を抜けだしたウェイドは、ヴァネッサに会うことができないで、赤いマスクを被ってデッドプールとして生きていくのだ。彼の目的はエイジャックスを探しだして、元の顔に戻してもらうことになる。

なぜかいつも同じタクシーに乗って現場に駆けつけて、超人的な身体能力で敵を倒していく。あくまでも人間の延長線上の能力だけど、スピードは誰にも負けない。治癒能力もトカゲみたいに抜群だ。X-MENや96時間のリーアム・ニーソンを引き合いに出して、自分は違うことを強調する。それなのに、炎の少女「ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド」(プリアナ・ヒルデブランド)や金属の身体のコロッサスが仲間として加わる。

エイジャックスは痛みを感じないだけでなく、スピードも同じくらい速い。それに加えて、怪力のエンジェル・ダスト(ジーナ・カラーノ)が敵になる。高速道路での対決もすごいけど、最後の港での暴れぶりが迫力満点だった。あくまでも人間の目線で破壊が起きているので、より身近に感じられる。美女と野獣のごとき結末もよかった。ゲラゲラ笑えて、お~っと驚いてワクワクできるエンターテイメント作品だ。星4個。

トラックバック URL
http://torachangorogoro.blog.fc2.com/tb.php/317-2547b998


同じカテゴリー(2016年映画)の記事
疾風ロンド
疾風ロンド(2016-12-09 22:45)

オケ老人!
オケ老人!(2016-11-22 23:24)

この世界の片隅に
この世界の片隅に(2016-11-21 23:18)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
デッドプール
    コメント(0)