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巴亮介の同名漫画を「るろうに剣心」の大友啓史監督が映画化した。連続猟奇殺人犯と対決する刑事の物語だ。日本映画でこのえぐい描写を実現したことはすごい。小栗旬の刑事に対峙するカエル男が妻夫木聡という豪華配役だ。妻夫木聡というと綺麗な役が多いのに、全くそのイメージを捨てての悪役ぶりがいい。殺人方法をアートだと主張する犯人を怪演している。このくらい思い切りやってくれていいのだ。

雨の日、3匹の犬に体を食いちぎられて死亡した被害者が見つかる。その死体には「ドッグフードの刑」と名付けられていた。次の犠牲者は「母の痛みを知りましょうの刑」で、引きこもりの青年が殺される。愛人を作っていた男性は「均等の愛の刑」で、体を縦に切られて妻と愛人に送りつけられる。もうこうなると、猟奇殺人の申し子みたいな犯人だ。警察では何が被害者の共通点なのかわからない。

さらに、冷凍された女性は「ずっと美しくの刑」で、占い師の男性は「針千本の刑」で殺される。そこまで来て、やっと警察は犯人が3年前の幼女殺人事件の裁判員を狙ったものだとわかる。でも、裁判で実刑になった犯人は病院で自殺していた。では誰が殺しているのか、わからない。そして、その裁判員をやった人間で刑事沢村(小栗旬の妻遥(尾野真千子)も入っていたことに気がつく。さらに、沢村は家族が当事者になったことで捜査から外されてしまう。

沢村は仕事に熱中しすぎて妻子を省みなかったので、妻と長男は家を出ていったばかりだったのだ。携帯に電話をかけても通じないので、捜査本部とは別に単独捜査を試みる。そこで後輩の西野(野村周平)から情報をもらい、犯人の手がかりを探る。すると、犯人が以外に近くに存在していたことがわかり、街中で出会ってカエル男に西野をビルの屋上から落下させられて亡くしてしまう。ここで犯人は日光の光に反応して逃げてしまった。

日光過敏症という病気らしいとわかると、病院を徹底的にあたる。橘幹恵(市川実日子)という女医から強引に聞き出して、カエル男(妻夫木聡)の住所がわかる。沢村は彼の住む屋敷に忍び込むが捕まってしまう。さらに、妻子もそこにいるらしいとわかる。監禁されて、ジグソウパズルを解くあたりは、「SAW」を思い起こさせる。密室でのカエル男と沢村の対決は迫力とスリルが痛いほど伝わってきた。邦画でもやればこのくらいできると証明した。星5個。

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